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足回り基礎知識

一般道路のみを走る方なら必要ないかもしれませんが、高速道路や峠、サーキットなどを攻めたいと思っているなら、足回りのパーツの変更、強化は欠かせません。ここでは基本的な足回りのパーツをご紹介します。

更新日:2015年9月23日

覚えておきたい足回りパーツ

サスペンション

一般的にサスペンションとは『サススプリング』『ショック(ダンパー)』などをまとめた総称です。路面からの衝撃を抑えたり、タイヤを路面に押さえつける効果があります。

サススプリング

サスペンション内の大きなバネ。コイルスプリングとも言います。路面からの上下方向の衝撃を吸収してくれます。
スプリングにはバネレート(バネの硬さ)というものが存在し、車体の重さや使用用途によって適切な固さや長さがあります。初心者の方はバネ単体で購入する場合、必ずショップに相談しましょう。

ショックアブソーバー

ショック、またはダンパーとも言います。スプリングとショックアブソーバーのセットをダンパーと呼ぶ場合も。

ショックアブソーバーの役割を簡単に言うと、スプリングが路面からの衝撃を吸収するのですが、その後、スプリングは元の状態に戻ろうとします。その時、ショックアブソーバーは元の状態に戻ろうとするスプリングの動きを抑え、まろやかに元の状態に戻してくれます。

もし、ショックアブソーバーが不調(中のガスやオイルが抜けている状態)の場合、ちょっとした段差でもクルマが跳ねまくります。大きな衝撃がクルマにかかったり時、下手をすればバネが外れる危険もあるため、ショックからオイルが漏れているように見えたら早めに交換した方が良い。

なお簡単な確認方法は、ジャッキアップしてタイヤが路面に接していない状態で、スプリングに触り上下にガタガタさせた時、大きく動くようなら多分アウト。あと、ジャッキアップ状態でバネが浮いてる状態、もしくは大きな隙間がある状態なら完全アウト。

車高調(車高調整式サスペンション)

簡単に言うとスプリング(バネ)とダンパー(ショックアブソーバー)がセットになったサスペンション。しかも高さの調整が出来る素敵アイテム。私は普段絶対これを買う。全長調整式(フルタップ)とネジ式とCリング式の3種類があります。

全長調整式
全長が伸縮するため、どの高さにしてもストローク量が一定で、乗り心地に変化がない。ただし、車高を調整する際、一度外さないと調整しにくい。まあ着けたまま無理やりでも出来ないこともない。

ネジ式
スプリングの 下のネジ(ロアアーム)の位置を上下させて車高を調整する。このタイプはあまり車高を下げ過ぎるとバネに遊びが出て大変危険。全長調整式より安い。ちなみに車高を上げると乗り心地が悪くなります。

Cリング式
最近ではあまり見かけなくなってきた車高調。外してバラしてしか車高が調整できない上、無段階調整ではないため、初心者にはあまりお勧めではありません。ただし、クルマに合わせて作ったワンオフ品の場合、Cリング式の車高調って意外に見かけたりします。こちらも比較的安いです。(ワンオフ品は高いけど)

最近の車高調は『減衰力調整式』の車高調も多く出回っているため、特別な理由がない限り、調整できるものを購入することをお勧めします。普段はフニャフニャ、攻める時はカッチカチ。

ブレーキパッド

クルマの制動にかかわる最も大切なパーツの一つ。一般人のクルマの場合、車検の時に車屋さんが勝手に確認して交換してくれます。しかし、峠、サーキット、高速道路などを攻めるならブレーキの減りが驚くほど速いものです。急制動をよく使うなら定期的に確認しましょう。な
なお、社外品は性能が高い代わりに『対応温度』が高かったり、寿命が短かったりします。

ブレーキローター

ホイールの内側に付いている円盤。ブレーキパッドをこれに押さえつけてクルマを停止させます。大きく分類して、『プレーンタイプ』『スリットタイプ』『ドリルドタイプ』『ディンプルタイプ』などがあります。

プレーンタイプ
純正で採用されていることが多い普通のローター。耐久力はこれが一番高いと思います。

スリットタイプ
ローターに切れ込みが入っているタイプ。ブレーキパッドのゴミ(ブレーキダスト)を除去してくれます。さらに、スリットが引っ掛かりになり、制動力が上がります。ただし、スリットに引っ掛かる=パッドが良く削れるため、ブレーキパッドの寿命は短くなります。あとお値段がお高い。

ドリルドタイプ
ローターに穴が開いているタイプ。これもスリットタイプと同じくいい感じにパッドを削ってくれるので良く止まり、寿命もダウンです。さらに穴のおかげで冷却効率も高いようです。問題は強度ですが、ショップで売っている物の場合は考えて作られているでしょうからそこまで気にしなくてもOKでしょう。

ディンプルタイプ
完全に穴をあけずに掘っただけのドリルドタイプに良く似たタイプ。ドリルドタイプより耐久力があります。

古い車(走行距離10万km以上)に乗っているのならブレーキローターはかなり削られていると思います。余裕があれば一度は確認し、研磨、交換も視野に入れましょう。

ブレーキキャリパー

ブレーキパッドをローターに押さえつけるためのパーツ。ブレーキを踏むとピストンが上がりパッドをローターに押さえつけます。2ポット、4ポット、6ポットなど種類があり、単純に多いほど良く止まると思っていればOKですが、その反面大きくなるし、専用ローターは必要だし、値段が高いし、物によっては止まりすぎて制御がしにくいなど、デメリットも多いです。4ポットが個人的には好き。

スタビライザー

スタビと略することも多いです。コーナーリング中の左右のサスペンションのストローク量が一定になるように捻じれ、ロール(傾き)を抑えてくれます。クルマのロールが抑えられるということは、単純に四輪の接地力が高まり、トラクションが上がります。

ただし、スタビを強いものにし過ぎる(強化し過ぎ)と、ロールが抑えられ過ぎて曲がらない(限界が低い)クルマが出来上がるため、何ごともバランスが大切です。

なお、フロント側のスタビを強化するとアンダーステア傾向に、リヤ側のスタビを強化することでアンダーステアの傾向になります。つまり、ドリフトは究極のオーバーステアなので……。

ディファレンシャル

通称『デフ』。走行中に発生する内輪差を無くすためのパーツです。

例えば、左に曲がるとき100ある回転を左40右60という風に分けたりしてくれるパーツです。ちなみに直進の時は50:50。普通に走るだけなら強度やメンテナンス性などを考えて純正の方が良い場合もありますが、ドリフトなどをしたい場合、純正デフがとても変な動きをしてまともにコントロールできません。
さらに、通常のデフの場合、駆動輪の片方がが浮いた状態、もしくはぬかるみなどにハマった状態になると、抵抗の少ない方に駆動力が分配されて脱出不可能になることもあります。

そんな時は『LSD』。Limited Slip Differential(リミテッド スリップ デフ)の略で、差動制限型ディファレンシャルと呼ばれているパーツです。
ここでは詳しくは説明しませんが、例えば、ドリフトのコントロール性の向上、脱輪などでも片方がちゃんと地面に接地していれば脱出可能になります。ただし、値段が高価なのと、メンテナンスをしっかりしないといけないのが面倒です。

もう一つ、左右の駆動力を常に一定にする『溶接デフロック』と呼ばれている物もあります。純正品を溶接で固定してデフとしての機能をオミットするため、通常使用には向いていません。まず、街乗りで交差点を曲がる時にちょっとアクセルを踏んだだけで軽く滑るし、そのせいでタイヤの消費も激しいし、友人のクルマを牽引して走るとバキバキとデフが煩いし、ハンドルは常に重くなるし、車庫入れに切り返す回数が増えるし、デメリットも多いです。
ですが、メリットあります。まず基本的にメンテナンス不要。ドリフト中グイグイ加速する、チューニングカーに乗ってる感じがして楽しい、など。
実は私19歳から11年ほど最初から溶接デフロック状態のC33ローレルに乗っていたのですが、意外に楽しかったです。こういうクルマだと思って乗っていました。状態がほぼ同じ機械式LSD装着のC33ローレルを運転させて頂いたときは違いすぎて笑いましたけど。

タイヤ

地面に設置する大切なパーツの一つ。ラジアルタイヤ、スタッドレスタイヤ、スリックタイヤ、セミスリックタイヤ、ランフラットタイヤなどがある。

ラジアルタイヤ
夏用タイヤとも呼ばれるほぼオールシーズン使用できるタイヤ。冬に雪が降らないところに住んでいるならずっと着けていられるタイヤ。

スタッドレスタイヤ
積雪路や凍結路を走行する際にスリップしにくいようにするために開発されたタイヤ。積雪の多い地方じゃないとあまり使うことはないタイヤ。

スリックタイヤ
溝がなく、非常に柔らかく、地面に吸い付くように接地し、路面とタイヤの摩擦熱でタイヤを溶かして、晴れの日は驚くほどのグリップ力を見せてくれる。反面、雨の日はクソタイヤ。溝がないためハイドロプレーニング現象が発生しやすく、雨の水分で冷やされてグリップ力が低下し非常に危険。もう一つ言うと公道では使用不可。さらにゴムの摩耗が激しいため、サーキットによっては使用を禁止している場所もあり。

セミスリックタイヤ
簡単に言うと、スリックタイヤの溝があるバージョン。公道で使用できるようにするため、性能はスリックタイヤに比べ落ちているが(言うほど柔らかくない)、普通のラジアルと比べてグリップ力が全然違う。ただ無茶苦茶値段が高いです。私が履かせているサイズが235/40/18なのですが、最低でも1本2万円以上の価格です。

ランフラットタイヤ
パンクしても100km程度走れるタイヤです。流通数が少なく、高級車などに純正、オプション採用されています。当HPをご覧の皆様には必要ないかと思われます。

本格的にタイムアタックがしたい、という場合を除けば、そこまでタイヤの種類にこだわらなくても問題ありませんが、タイヤの劣化だけは注意して下さい。側面から見てひび割れているタイヤはアウトです。
スピードを出して走るとタイヤ内の温度があがり、それによって空気圧が上がり、バーストする危険もあります。

ホイール

クルマの見た目を大きく変える時やインチアップして性能UPしたい時に変更するホイール。大まかに分けて『スチールホイール』と『アルミホイール』、『マグネシウムホイール』があり、さらに作り方に『鋳造』と『鍛造』があります。

スチールホイール
鉄性のホイール。重くて頑丈、あと安い。

アルミホイール
スチールホイールと比べて軽く、デザインも凝ったものが多い。社外品は大体これ。

マグネシウムホイール
アルミホイールよりさらに軽い。ただし、衝撃に弱く塗装面に剥がれや傷が付くと腐食するという問題もある。値段も高い。ぶっちゃけ必要なし。

鋳造
型に溶かした金属を流し込み、冷やして固める作り方。低コストで作れ、デザインも豊富です。市場に出回っている物のほとんどがこれ。

鍛造
溶かした素材を固める際に圧力や振動を加え作る方法。圧力や振動を加えることで小さな隙間を減らし、強度を上げる作り方。ただし、素材の持つ強度を超えるダメージでクラックが入りやすい。作り方の都合上、デザインが少ない。

タイロット

簡単に言うと、左右にハンドルを切った時、これが飛び出たり引っ込んだりしてタイヤホイールを左右に振る為のパーツ。他にもパーツはあるが、タイロットと後述するタイロットエンドがセットになって機能する。車高を下げた場合、このパーツがほぼ必ず変な方向を向くようになり、強度に問題が出ます。

タイロットエンド

これも簡単に言うと、タイロットとホイールの中間地点をつなぐパーツ。もちろん簡単に説明しているだけで、本当にたくさんのパーツがタイロットとホイールの間にありますが(ハブとかローターとか)。車高を下げるとこれも変な角度になり、純正品だと車検のたびに交換が必要になる場合もあります。(ローレルは1年に一度交換していました)

テンションロッド

タイヤホイールの前後方向の動きをコントロールしているパーツ。純正品は意外に強度が無く、車高を下げていると大きな段差で折れることも…。以前、20kmくらいで走っていたときに急ブレーキをかけ、クルマが『カクン』となった衝撃で純正品タイロットが折れたことがあります。

【ま と め】

いかがだったでしょうか?他にも色々大切なパーツがありますが、基本パーツとしてこれらは覚えておきましょう。

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